多汗症とは？
本来、汗は体温調整のために全身の皮膚表面から分泌されています。この体温調節に必要な量を大きく上回る汗をかいてしまい、日常生活に支障が出ていることがあり、これを多汗症とよびます。
多汗症のなかには、汗をかく部位に応じて腋窩多汗症、手掌多汗症、足底多汗症、頭部・顔面多汗症に分類されます。また、特定の部位ではなく全身から多量の汗をかく全身多汗症とう病気の方もいらっしゃいます。
多汗症の治療
症状に応じて下記の外用薬、内服薬を組み合わせて治療をおこないます。
外用薬
抗コリン薬
神経系に作用する薬で、アセチルコリンという物質の動きを抑制して、発汗を抑制します。原発性腋窩多汗症、掌蹠多汗症に保険適用となる外用の抗コリン薬です。
塩化アルミニウム
塩化アルミニウムが、汗腺の穴を塞ぐことにより汗の量を減らす治療です。どの場所にも塗ることができるため、手・足・脇のいずれにも使用可能です。ただし刺激性がつよく副作用の状況に応じて治療継続を判断します。
内服
抗コリン薬
服用後1時間ほどで効果が現れ、数時間効果が継続します。全身に効果が出るため全身性多汗症の方によい適応です。緑内障や前立腺肥大といった疾患をお持ちの方には服用いただけない場合があります。
注射薬
ボトックス治療
ボツリヌス菌から抽出した成分を皮下に注射して、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックすることによって発汗を抑えます。汗をかく部分に直接注射をするため痛みをともないます。ボトックスの効果持続期間が最大で6ヶ月くらいなので、汗をおさえたい期間には継続的な治療が必要です。
