脂漏性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎は、鼻周り、眉間、眉毛、頭皮、耳の周りなどの皮脂の分泌が活発な部位にできる湿疹です。赤みやフケ、かゆみが現れる特徴があります。脂漏性皮膚炎は完治が難しく根気よく病気と付き合っていく必要があります。
赤ちゃんから大人の方まで全年齢で起こりうる病気です。赤ちゃんは自然に治ることが多いですが、成人以降に発症すると、慢性的に症状が続くため、根気よく治療する必要があります。
脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎の原因は、皮脂の分泌が多い部位でマラセチアと呼ばれるカビ菌が生成する脂肪酸という物質に対して肌が過敏反応を起こし、炎症が生じるためとされています。このマラセチアは、人間の皮膚に通常でも存在している(常在菌)ものです。
精神的ストレスや身体的ストレスにより皮脂の分泌が増えることで悪化すると考えられています。そのほかに洗浄の不足による皮脂の蓄積、生活習慣の乱れも悪化の一因となります。
脂漏性皮膚炎の治療
脂漏性皮膚炎の治療は生活習慣の改善と薬物療法のどちらも重要です。
生活習慣の改善
生活習慣の改善としては、喫煙や飲酒はなるべく控え、高カロリー食や高脂肪食は控えてバランスのとれた食事をしてください。また適切な睡眠をとり、規則正しい生活をおくることも、治療に有用です。
洗顔や洗髪をおこない皮膚を清潔に保つことも重要です。洗顔は1日に朝晩の2回、洗髪は1日1回が適切です。
薬物療法
薬物療法ではかゆみや赤みなど、皮膚炎の症状が強いときにステロイド外用薬やステロイド含有シャンプー剤を使用します。効き目が出るのは早いですが、外用を中止すると再発しやすい傾向にあります。また長期間不適切に使用すると、にきび等の副作用が出ることがあります。
皮膚の炎症がおさまった後に、抗真菌剤外用薬で皮膚に増殖したマラセチア菌の働きを弱めます。即効性はありませんが、副作用が少なく長期間の使用が可能です。また、かゆみに対して抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン薬を使用することもあります。